flos sapientia

ネギまのSSや詩を書いてます。

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SSです。
長いので、続きからどうぞ。



「やっぱ間に合わなかったか……。」
学校の門に着いた時、日はもう完全に見えなくなっていた。
小走りでここまで来た和美は、息を切らせながらガックリと肩を落とす。
(いや、別に間に合わなかったって訳でもないけど。)
ただ、自分の予定に間に合わなかっただけだった。
というのも、集合予定まであと1時間はあるから。
和美はちょっと落ち込みつつも門をくぐり、ゆっくりと目的地へと歩いてゆく。
目的地は校庭。
今日はいつものメンバーで、お花見をする……らしい。





今日の昼休み、ご飯を食べ終えて少し休んでいると明日菜がそっと聞いてきた。
「ねぇ朝倉。今日空いてる?」
「今日……か。放課後?」
イキナリの質問に少し驚きつつも、和美は答える。
放課後は確かにヒマだった。
部活も特にないし、ネタ集めって感じでもなかった。
またカラオケかな? と思ってたけど、明日菜の答えはと言うと。
「放課後だけど……学校終わってすぐじゃないの。」
「え?」
どうやらカラオケではないらしい。
学校終わってからすぐ行かないと、中学生はどこにも行けなくなってしまう。
男子なら問題ないのかもしれないけど、女子中学生は何かと大変だから。
「何企んでるの?」
和美はちょっと興奮しながら聞き返す。
いつもより遅い時間に行動するのは、何か惹かれるものがある。
「ううん、別にそんな企みとかじゃない……けど。」
「じゃあ何よ。」
ああもう、何でそんなもったいぶるの。
明日菜ってこんな焦れったい話し方だったたっけ。
いつもなら、もっと軽いノリで誘ってくるハズなんだけど。
(でも、意外に女の子だったりするからなぁ……。)
もしかるすと、明日菜自身あまり乗り気じゃないのかもしれない。
お昼休みでワイワイ騒いでる教室の中なのに、明日菜の声は注意しないと聞き取れないくらい小さかった。
だから、「企み」だと思ってしまったのだ。
「あのね、今日お花見しようって……木乃香が。」
「お花見!?」
思わず声が大きくなってしまう。
明日菜が慌てて手を和美の口にあてたけど、この喧噪の中ではそんな心配はいらなかった。
周りの皆はそれぞれ話をしていて、こちらには見向きもしていない。
「そんなに驚くことないでしょ。」
明日菜もそんな気遣いは無駄だと気付いたのか、声のトーンが普通に戻っていた。
「いやだって……。」
(お花見くらいなら、「お花見行こ?」でいいじゃない。)
和美はそう心の中で思ったけど、口にはしなかった。
小声で聞いてきたからには、やっぱりそれなりの理由があるのだろう。
「学校の中でやるんだって。」
「ふ~ん……って学校!?」
また聞き返してしまう。
だって学校でしかも放課後すぐじゃないって……どう考えても無理だし、そこまでして学校に行く必要あるのだろうか。
今この辺はどこも満開だし、いわゆる「名所」もたくさんある。
(わざわざ……どうして?)
でも、それより何より一つ問題があった。
「……というか、無理じゃないの?
 夜に学校って。」
すると明日菜はちょっと呆れながら答える。
「朝倉驚きすぎ。こっちがビックリするから。
 ……だからさ、『木乃香が』って言ったじゃない。」
「うん。」
どうやら話は最初までさかのぼるらしい。
確かに明日菜は『木乃香』と言った。
木乃香は京都生まれだし、お花見が好きなんだな、って勝手に解釈しちゃったんだけど。
「木乃香と学校と言えば……一つしかないでしょ。」
「う~ん……そう言われてもな~。」
本当に分からない。
どうして学校なのか。
そして、どうやって学校に夜行くのか。
「……というか、明日菜が早く教えてくれればいい話じゃない。」
「そう……なんだけどね。
 ゴメン。私からはちょっと言いたくなかったの。」
明日菜は苦笑した。
「あの……木乃香がね、ダメもとで学園長に言ってみたんだって。
 そしたら、意外にすんなり認めて貰えたらしいの。」
(あ~……じーちゃんつながりか。)
「確かに木乃香のおかげなんだけど、それをあんまり言わない方がいいかな……って。
 だから……はっきり言えなくて。
 木乃香は全然気にしてないみたいで、『人が少ない方がええやろ』とか『みんなも誘ってな』とか言ってたんだけど、何となく……ね。」
(ははぁ、なるほど。)
和美はやっと納得できた。
明日菜がどうして声をひそめて話していたのか。
今回のお許しは、木乃香が「孫娘」だからっていうのも理由の一つだろう。
でも明日菜としては、木乃香がその権限を使った……みたいな事を前面に押し出したくはなかったと。
明日菜は木乃香と付き合い長いし……やっぱり気になる所があるのだろう。
「そっか……明日菜は優しいね。」
「ううん、そんなことないよ。」
明日菜はちょっと照れた様に笑う。
(木乃香のために……か。)
「ちょっと考えすぎだとは思うけどね。
 明日菜としては珍しく。」
「どういう意味よ。」
二人で笑った。
少しふくれた明日菜も、すぐに笑顔になる。
こういうやりとりができると楽しい。
「……って、そんな話をしに来たんじゃないんだけど。」
さっきまで笑っていた明日菜は、真面目な顔を作って和美を見る。
(残念。もうちょっとからかってみようと思ったのに……。)
「で、時間は?」
こうなったらあまり刺激しない方がいいので、仕方なく話を元に戻す。
「えっとね、今のところ夜の七時に集合しようって事になってる。」
(ふんふん、七時か……。)
忘れないとは思うけど、一応メモを取る。
「一応朝倉が最後だから、問題なければそのまま。」
「問題はないよ。……でも、いつまでするの?」
一応って言葉に多少疑問を抱いたけど、今はそれより気になる事があった。
七時っていう始まりの時間は妥当だと思うけど、数時間すれば補導されてもおかしくない時間になってしまう。
「いや……それより誰が来るの?」
和美は重ねて質問する。
参加する人によって、時間はかなり変わってくるだろうから。
「誰って……あんまり多くない方がいいかと思って、いつものみんなだけど。」
「いつもの……っていうと、別荘組?」
「うん。」
エヴァちゃんの別荘に行ってる人たち……つまりは、ネギの深~い事情とかも知っちゃってる「みんな」って事だ。
「という事は……早乙女を抜かせばみんな結構マジメだし、今日中に帰れるよね?」
クラスメート全員となると、徹夜も十分考えられたけど。
「別荘組」なら、ストップかけてくれる人も多いし、何より夜でもかなり安全であろう。
しかもあの人たち、こう言っちゃ失礼かもしれないけど、ちょっと人間離れしてるから夜でも何かと安心だ。
「たぶん……夕映ちゃんも長谷川さんもいるから、平気だと思うよ?」
明日菜はちょっと考えて、そう答えてくれた。
「お、ちぅちゃんもいるんだ。」
この頃のちぅちゃんの付き合いの良さと言ったら……事ある度に参加してくれる。
「うん。パルがムリヤリでも引っ張ってくるって。」
そう言いながら明日菜は笑った。
「そんな事だと思ったよ。」
和美もちょっと苦笑する。
ちぅちゃんが自発的に……っていうのも似合わないし。
それでいいと思う。
二人してちぅちゃんを見ると、やっぱりどこか不機嫌そうで。
こちらの視線に気付いたのか、一瞬目が合ったちぅちゃんは「フン。」とすぐそっぽを向いてしまう。
「あんな風に仕方なくって感じだけど、たぶん来てくれると思うよ。」
明日菜がそっと囁く。
「ちぅちゃんも、まんざらでもないでしょ。」
「きっとね。」
クスクスと二人で笑う。
こちらをチラチラ見ていたちぅちゃんは、そんな私たちを見てどこか顔が赤くなっていた。

気が付くと、騒がしい教室に予鈴が響いていた。
意外と長い時間話し込んでしまったらしい。
「あ、じゃあそういう事だからよろしくね。
 そうそう、もし良ければなんだけど、相坂さんにも言っておいて。
 じゃ。」
そう言って、明日菜は自分の席へと向かう。
「わざわざありがとね。」
和美はお花見について教えてくれた事と、雑談に付き合ってくれた事へのお礼を言う。
明日菜は振り返らずに、手をひらひらさせただけだった。
(まったく……。)
和美は苦笑する。
(ここでいつもの明日菜に戻っても、しょうがないでしょ。)

次の授業の用意をしながら、和美に「ん?」と疑問が浮かんだ。
(そういえば、私が最後だって言ったのに、どうして「さよちゃんに言っておいて」なの?)
明日菜の最後の言葉が引っかかった。
隣をチラッと見ると、お昼休みの間はいなかったさよちゃんがいつもの様に席に着いていた。
(確かにこの頃、さよちゃん休み時間の度にどこかへ行っちゃうんだよね……。)
だから明日菜も、さよちゃんを捕まえられなかったのかもしれない。
それ以前に、明日菜も「見える時と見えない時がある」って言ってたし。
意識的には、和美が「一応最後」で間違っていなかった。
(じゃあ、今日の放課後にでも聞いてみようか。)
教科担任が教室に入ってくるのを目で追いながら、そんな事を思う和美であった。
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こんちは!!

初コメントっす☆
ちょくちょく覗きに来てたら更新されててビックリしったっすよ
大学受験お疲れ様でした
そんでもっておめでとうございます
(^▽^)/

澪さんの書くss好きっす
特に『大切』が
心理描写が細かくて、読んでるこっちまで泣いちゃいました///

SNSの見方わかんないんすよ;
だから、今回のss更新楽しみにしてます

2008.03.12 22:21 URL | 芳樹 #- [ 編集 ]

お久しぶりです澪さん!!
久しぶりに澪さんのSS読むことができて嬉しいです♪
それで改めて思ったんですが…読みやすいです。はい。
めっちゃ読みやすくて大好きです!
明日菜の態度に朝倉と同じく不審に思いましたw
さよちゃんの行動が気になりますね。
続き楽しみに待ってます!!

あと大学受験、1年間お疲れ様でした!

2008.03.10 19:37 URL | さっちゃん #- [ 編集 ]













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