flos sapientia

ネギまのSSや詩を書いてます。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- --:-- | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) |
SSです。
長いので続きからどうぞ。



私にとって
あなたは何だろう。


一人で帰りながら
私はふと考えた。

もちろん、あなたは大切な友達。
部屋も同じでいつも一緒だし
一番長い間、二人で過ごしてきた。

私はあなたが大好きだし、
あなたはとても大事な人。

でも

あなたは──

あなたはどうなの──?



その日の朝も、いつも通り二度寝していた私を
あなたは
「アスナ、朝やで?」
といつものように起こしてくれた。
「うん……おはよ、このか。」
「おはよ、アスナ。」
あなたは笑顔で答えてくれる。
いつもと変わらぬ朝。

私は大きく伸びをして
ベッドから出る。
「朝ご飯、もうできてるえ。」
そこには美味しそうな料理が並ぶ。
「ほな、食べよか。」
テーブルの前に座り、食べ始める。
「うん、やっぱり美味しい。」
「ホンマ?嬉しいわぁ~。」
いつもの、のどかな会話。
そしていつも通り二人で家を出て
二人で話しながら学校へと向かう。

空は青く、とても気持ちのいい朝だった。

また、普段と変わらぬ一日が始まる──。



今日のお昼休み。
いつものように、あなたとお昼を食べるために
あなたの席へ行こうとした。
でもあなたは、自分の席で
私の知らない女の子たちと話していた。
「あれ、誰だろ……。」
彼女たちとの会話は数分で終わり
私は改めてあなたの席へ向かう。
「ねぇ、今の子たちは?」
私が聞くと、
「あぁ、部活の後輩や。
ちょっと聞きたいことがあるゆーて……。」
「そうなんだ。」
と私は納得した。

その時、
「それで……スマンな、アスナ。」
「へ?」
イキナリのことだったので
気の抜けた返事になってしまった。
「さっきの子たち、新しく入ったばっかなんよ。
せやから、色々教えてやらんと……
今日は一緒に帰れへんし、
遅くなるかもしれへん。」
──あ、そっか。
今日はあなたと買い物に行こうって
約束してたんだっけ。
「だからな、今日はウチ……。」
……何でそんな顔するのよ。
私は少し、ムッとしてしまった。
──何もあなたは悪いことしてないじゃない。
「……そんな顔してたら、
あの子たちまで悲しくなっちゃう。」
「アスナ……。」
「別に私のことなんて気にしないで、
行ってきなさいよ。
謝る必要もないでしょ。」
そう言うとあなたは、
「うん……ありがとう、アスナ。」
と、笑顔で返してくれた。
「でも、今度は約束だからね。」
私も笑顔でそう言った。
少しだけ、悲しい笑顔で──。



だから私は、一人で帰ってる。
夕日が私を照らして、長い影を一つだけ作る。
別に珍しいことでもないし、
あんまり寂しくもない。
ううん……やっぱり寂しいかも。

どうしてかは分からない。
いつもなら、こんなこと考えないのに。

──あなたにとって
私は何なのかな。

……なんて。

あんな風に明るく言ったけど、
やっぱりあなたと過ごしたかった。

「私って……
必要ないのかな……。」

一人でつぶやいた。
その言葉が私にだけ響いて
紅い光の中に溶け込んで──。

気が付いたら、私は一人で泣いていた。
ただあなたがいないことが、
ただ、あなたといられないことが、
こんなにも辛いなんて知らなかった。

その寂しさをごまかすこともできず、
私は静かに泣き続けた。
少しだけ暖かい、
紅い光に包まれながら──。





「アスナ、スマン!遅くなってもーた!」
あなたが帰ってきたのは夜遅くだった。
私はそれまで何もせず、
ただあなたのことだけを考えてた。
「思ったより時間がかかってもーて、
……ホンマにゴメンな~。」
──やっぱりあなたがいないと、
私ダメかな。
そんなことは言えるはずもなくて、
「おかえり。もう、だから気にしないでよ。
私は別に平気だからさ。」
思ったことと、正反対のことを言ってしまう。
──あなたに心配かけたくないから。
「今度、絶対一緒に行こうな!」
「分かったわよ。」
自然と、笑顔になる。
とても──嬉しかった。

じゃあちょっと着替えてくるな、と
あなたは部屋の奥へと入っていく。

……うん、やっぱり知りたい。
あなたが私をどう思っているのか。

私は決心して、
あなたが戻ってくるのを待った。

あなたは部屋から出てきて、
「へ?どないしたんアスナ、
そんなマジメな顔して……」
さっきの場所に立ったままの私を見て
そう言った。

私は思い切って、
──聞いてみる。

「ねぇ。」
「なに?」
「このかにとって私って何?」
突然マジメな質問に
あなたはそれなりに驚いて──
「なんや、イキナリ。
アスナはアスナやんか。
どないしたん?」
「ううん、ちょっと聞いてみただけ。」
私は笑ってそう答えた。

うん、そうだね。
私は私、あなたはあなた。
誰にとって自分が何だとか
そんなのは一時的なものだし。
ずっと一緒にいたのに、
今さら「何」って言われても困るよね。

半ば自分で納得しつつも、
どこか悲しかった。

──あなたから「大切な」言葉が
出てこなかったから。

私にとって
あなたは大事な人なのに……

あなたにとって
私はどうでもいいのかな……?

そう思うと、目の辺りが少し熱くなってきて。
──うわ、こんな所で泣いたら……。



その時突然、
「でも、ウチはアスナ大好きや。」
「え?」
思いがけない言葉に
私は驚いた。

「ちょっと乱暴なトコとかあるけど……
ウチはアスナの良いとこいっぱい知っとるよ?
不器用やけど一生懸命頑張るし、
いつもウチのこと心配してくれて……
ホンマは優しい人なんやって。」

──そんな……こと言ったらさ──
あなたの顔が滲んでいく。

「だからウチはアスナが大好きやし、
大事な友達なんよ?」

──あぁ、まただ。
あなたの言葉が、優しさが
私の心を──

「……へ?ちょっとアスナ、どないしたん?
ウチ、何か悪いこと言った?」

あなたはいつもそうだね。
あなたの言葉が、
どれだけ私に響くか考えてないでしょ。

「ちょっと、アスナ!?」

あなたの優しさは
私には大きすぎるから。
私、不器用だからさ
いつも零しちゃうんだけど。
──今日はいっぱい零れちゃうよ──。


気付いたら、
私はあなたに抱かれていた。
私の涙があなたの服に滲んで、
目の辺りがとても熱くて。

「アスナ、ごめんな……。
ウチ……。」

あなたの声が震えていた。
──どうしてあなたが泣くの?
私はあなたの優しさが嬉しくて
泣いているのに。

……そっか、あなたは優しいから。
あなたは他の人の悲しみも
一緒に背負ってあげられるんだ。

あなたはホントに優しい人……。
この温もりだって──。


でもね、私は今悲しくないから。
あなたはどうして──

……うん、私は泣いちゃいけないんだ。
私が泣くとあなたも泣いちゃう。
あなたが私のことを
本当に大事に思ってくれてるから──。

私は涙をこらえ、
「この、かは……悪くない、から……。」
必死に私はそう言った。
「だってアスナ……ウチの言葉で……。」

そうだよ。
あなたの言葉が嬉しかったから。
あなたの言葉が、優しすぎたから。

私は温もりからそっと離れ、
あなたを見つめる。
そして私は、はっきりと──
「このかの言葉が、すごく優しかったから。
だから泣いちゃったの。
……このかが泣く必要、ないでしょ。」

真っ赤になった目で
一生懸命笑顔を作って、
私はそう言った。

「アスナ……ウチ……。」
あなたはポロポロと泣き出して、
再び私に抱きついてきた。
あなたの涙が私の胸を熱くする。

「だから、なんで……
このかが泣くのよ……。」

あなたは何も言わず泣き続けた。
私もあなたの温もりを感じながら
静かに泣いていた。

小さな部屋に、
二人の泣き声が小さく……
静かに響いていた。

私は、大切なあなたの──


大切なあなたの、

優しさを感じながら──。
スポンサーサイト












管理者にだけ表示

トラックバックURL↓
http://sen0404eiharu0923ka.blog104.fc2.com/tb.php/16-458aee4e

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。